プロシュート「ふざけた幻想を『ぶち殺した』なら使ってもいい」
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1289295339/
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 18:35:39.83 /mOlVttC0
メローネ「ボスの情報を探してたらこんなの見つけたよ」
プロシュート「……学園都市?」
メローネ「日本にあるんだけど、最先端の科学技術である意味『国家』と呼べるほど特殊な都市みたいだよ」
プロシュート「で、その最先端の科学でボスを探せと?」
メローネ「それもあるけど興味深い人物がいてね」
プロシュート「10万3千冊の魔導書だァ?眉唾にも程があるぞ。そもそも魔法なんてもんは……」
メローネ「でも、もし本当にあるならかなりの情報を期待できと思わないか?なかったとしても行って損はないと思うしね。じゃあこれがその娘の写真とデータね」
プロシュート「テメーで行け」
メローネ「俺だって行きたかったよ!!アキハバラとかニホンバシとかさ!そしたらリゾットの奴……!」
リゾット『お前は日本で遊びそうだから駄目だ』
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 18:38:18.70 /mOlVttC0
プロシュート「リゾットの言う通りだな……」
メローネ「そこで次の任務までフリーのプロシュートに白羽の矢が立ったのさ」
プロシュート「チッ……しょおぉがねーなあぁ。行きゃいいんだろぉ?」
メローネ「お土産よろしく」
――in学園都市
プロシュート「事前にここの情報は頭に入ってるが、いざ目の当たりにするとすげぇな。マジに未来都市じゃねーか」
プロシュート「にしても……」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 18:41:57.28 /mOlVttC0
メローネ『ちなみに都市全体で能力開発とかもやってるらしいから気を付けてね』
プロシュート(極力目立たないようにしたほうがいいな。特に俺のスタンドは目立つからなぁ)
――ドン
スキルアウトA「ってーな!どこ見て歩いてんだコラァ!?」
スキルアウトB「Aさん殺っちまいましょう!」
プロシュート「あぁ?」
スキルアウトA(な、なんだこの全身からやってくる『スゴ味』!?ヤベェ、コイツはヤベェ!!)
スキルアウトA「に、逃げるぞ!」
スキルアウトB「あ、ちょっとAさん!?」
プロシュート「チッ……小物が。まあ事を荒立てる心配なくなったが」
プロシュート「にしてもどれだけ発展しようと人ってモンは変わらねーんだな」
プロシュート「さて、ちゃっちゃと終わらせて帰るか。その10万3千冊の魔導書『禁書目録』ってのを探してなあぁ」
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 18:44:13.56 /mOlVttC0
ステイル「話しってなんだい?」
神裂「イタリアから身元不明な人物が1人、この学園都市に来たらしい」
ステイル「……ローマ聖教かい?」
神裂「イタリアからここに来たという事以外はわかりません。だが気を付けるに越した事はないでしょう」
ステイル「何もなければいいけどね。あるとすればやはり……」
神裂「『禁書目録』か……もしくはあの『異能の右手』」
ステイル「やれやれ、つくづく彼は不幸体質だね」
7 :>>6俺のアニメの知識しかない[]:2010/11/09(火) 18:48:26.28 /mOlVttC0
上条「はぁ……特売品の卵をゲットできたのに転んでパーなんて不幸だ……」
プロシュート(あれが『禁書目録』とよく一緒にいるっつう上条当麻か)
プロシュート(異能の右手『幻想殺し』。右手で触ったあらゆる超能力を無効化する)
プロシュート(スタンドはどうなんだ?能力は効かねぇかも知れねーがスタンド自体は精神を具現化したもんだからな)
プロシュート(そもそも能力者にスタンドは見えんのか?見えるのと見えないのとじゃあ、話が180度変わってくる)
プロシュート(奴の身辺以外にも調べる事はいっぱいあるじゃねーか、クソッ!)
――1週間後
プロシュート(粗方情報は手に入った)
上条当麻の家と上条当麻の関係者→尾行により難なくわかった。
7人しかいない超能力者とその能力→メローネに調べさせた。
能力者にはスタンドは見えない→適当な能力者の前でスタンド出現&寸止めパンチの結果、瞬き一つしなかった。
プロシュート(奴と関わりのありそうな超能力者は『超電磁砲』くらいか。後は大した事はねえ。さっさと終わらせてイタリアに……)
プロシュート(にしても深夜にしちゃあ人が少ねーな……まさか!)
ステイル「人払いの結界だよ。君がイタリアから来た者かい?ちょっと聞きたい事があるんだが」
プロシュート「テメェは何もんだ?」
ステイル「質問を質問で返すとはね。まあ、いい……僕はステイル=マグヌス。君はローマ聖教を知ってるかい?」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 18:51:20.56 /mOlVttC0
プロシュート「生憎、生まれてこの方神様は信じたことねーんだよ」
ステイル「目的はインデックスかい?」
プロシュート「……!」
ステイル「どういうつもりか知らないけど彼女に近付けさせるわけにはいかないよ」
プロシュート「チッ!しょおぉがねーなあぁ。邪魔するなら容赦しねぇぞ!」
ステイル「どうやら君は裏の人間らしいからね。悪いけどここで殺すよ」
プロシュート「あぁッ!?」
ステイル「炎よ、巨人に苦痛の贈り物を」
ステイルの手から炎で出来た刃が放出されプロシュートに襲いかかる。そして一気に燃え上がり視界は紅に染まる。
ステイル「まだだよ。僕は彼女のためなら容赦はしないし油断もしない……世界を構築する五大元素の一つ」
油断なくルーンを紡いでいく。それは最強にして絶対の攻撃。『魔女狩りの王』
14 :>>6俺のアニメの知識しかない[]:2010/11/09(火) 18:53:48.19 /mOlVttC0
ステイル「偉大なるはひまりのほのおよ、えーと……」
ステイル(なんだ?ルーンが思い出せない!?それにうまくしゃべれない!?)
プロシュート「マジで魔法なんてあんのかよ。メルヘンな世界だけだと思ってたぜ」
プロシュート寸前の所で避けた。暗殺者として常に修羅場を潜ってきた彼にとって、馬鹿正直に正面から放った攻撃など目を瞑ってでも回避できる。
勿論、ステイルもその程度予測済みであった。だからトドメを刺そうと『魔女狩りの王』を唱えようとした。
だが、それが出来ない。
ステイル「き、きひゃま!僕にひゃにをしたあぁぁ!」
プロシュート「さあな、テメェの面に聞いてみな。その『顔』になあぁぁ」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 18:56:25.49 /mOlVttC0
ニヤリと薄く笑うプロシュートに恐怖を感じつつ……
┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛
ポケットから手鏡を取りだし……
ステイル「『顔』……だと?」
バアアーーz__ン!!
ステイル「な……!?『年をとっている!!』」
鏡には頭髪の殆どは白髪になり、歯は抜け落ち、皺だらけとなった顔が写っていた。
驚愕を浮かべているステイルに構うことはなく、指の間接を鳴らしながらプロシュートは近付いて行く。
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 19:00:43.32 /mOlVttC0
体温によって老化のスピードは変わる。高ければ高いほど早く低ければ低いほど遅くなる。
不運にもステイルは炎を操るおかげで、あっという間に老化してしまった。
それこそルーンを紡ぐ間もなく……
プロシュート(騒ぎすぎたか。さっさとずらかるか)
結界の効果がなくなり遠くでサイレンの音が聞こえる。
その音を背に彼は夜の闇に消えていった。
プロシュート――明日から上条当麻との接触を試みる
ステイル=マグヌス――死亡(頭部陥没)
魔法名 Fortis931
┌―――――――┘\
│To Be Continued >
└―――――――┐/
21 :>>20の前[]:2010/11/09(火) 19:01:38.33 /mOlVttC0
プロシュート「テメェさっきは『殺す』とか言ったなぁ……オレ達ギャングではなあ、『殺す』なんて言葉は使わねーんだッ!」
ステイル「くっ……ひゅう血殺しの……!」
プロシュート「『ぶっ殺す』と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!」
既に老化により立つことすらままならなくなったステイルに一気に詰めより、彼のスタンド『グレイトフル・デッド』を顔面に叩き込んだ。
グシャリと辺りに不快な音が響いた。
そこには顔面が陥没した老人、いや、最早ミイラに近い魔術師と悠然立つギャングがいた。
プロシュート「ぶっ殺したなら使ってもいい」
彼のスタンド『ザ・グレイトフル・デッド』
半径20メートルに老化を早める毒ガスを撒き散らす。
それは人だろうが動物だろうが、生き物すべてを無差別に老化をさせる。
プロシュート(奴が炎の使い手でラッキーだったな)
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 19:37:25.87 /mOlVttC0
上条「はぁ……ビリビリに追いかけられて逃げてたらいつの間にか怪しい路地裏にきちまった……」
老人「もし、そこの少年」
上条「はい?」
老人「ワシは手相を占っているものじゃ。よろしければ君の手相を見せて貰っても構わんかね?」
上条(占いねぇ……怪しいよなぁ。どうせ当たらないし関わると録なことないだろうから無視……)
老人「今誰かに追われていた」
上条「……!?な、なぜそれを!」
老人「『占い師』じゃからなぁ。どうじゃ?特別にタダで占ってやるぞ?」
上条「じゃあタダなら……」
老人(さて、と。取り敢えずは引き留め成功か)
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 19:42:23.86 /mOlVttC0
この老人、老化によって変装したプロシュートである。
普段の姿で近付いても警戒されるが老人ならさほど警戒はされない。
万が一バレても本当の姿は分からない。
プロシュート「ではまず『左手』を見せてみなさい」
目の前の少年はなんの疑問もなく左手を差し出した。
プロシュート(『直』は速えんだぜッ!)
しかし何もおこらない!
プロシュート(なにいぃぃ!?バカなッ!打ち消すのは右手のはずッ!奴は言われた通り左手を差し出したッ!)
上条「あのー、難しい顔して大丈夫ですか?ま、まさか俺の手相がなんかヤバいとか……?」
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 19:49:27.51 /mOlVttC0
プロシュート「あ、ああ大丈夫じゃよ。とくに問題はなさそうじゃ」
上条「はぁ。ん?頭にゴミ付いてますよ?」
プロシュート「……何?」
上条「俺が取ってやりますよ」
そう言って上条は手を伸ばしてきた。
あの『右手』で。
プロシュート(や、ヤバい!あれで触られたら老化が……)
あと数センチの所で上条の携帯が鳴った。
差し出した右手は引っ込められポケットの携帯へと伸びて行った。
電話に出ると何やら怒鳴られているようで、上条は電話口の相手には見えていないのに何度頭を下げている。
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 19:50:35.67 7Txj4wkO0
>>41
サンクス
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 19:53:24.28 /mOlVttC0
プロシュート(今のはマジにヤバかったぜ……。ただの学生なら普通に暗殺してもいいがこいつは特殊な人間だ。慎重に行ったほうがいい)
上条「すいません、じゃあ失礼します」
プロシュート「あ、ああ。また……」
上条がいなくなってからプロシュートは考える。何故左手から『直』を叩き込んだのに老化しなかったのか?
実は右手限定でなくても一部能力が効かないことがある。レベル4の瞬間移動でも、飛ばすことができなかったりするくらいだ。
しかし今のプロシュートにはそんな情報もないしこれからも入ることはないだろう。
したがってあっさり考えるのを止め、別の方法を考え始めた。
プロシュート(やっぱスタンドで直接ぶん殴るか)
パワーはある。それこそ人をミンチにできるほどのパワーだ。
だが長い経験からの勘が告げる。あまり上条とは関わらないほうがいいと。
プロシュート「まあ、任務は禁書目録だ。無理に殺る必要はねぇよなあ」
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 19:58:30.34 /mOlVttC0
というより対スタンドには有効な人物である。ボスの正体がわからない以上、これはかなり有利だ。
プロシュート(生け捕りもアリか……?)
ともあれ、第一の目標は『禁書目録』だ。まずはそれをどうにかしなければならない。
プロシュート「ったく、メンドクセー。オレはもともとこそこそするタイプじゃあねーんだ。強攻手段で行くか」
チームで一番キレやすいギアッチョほどではないが彼も気が短いほうだ。
普段なら広域老化で一気にカタをつける方法をとるくらいだ。
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 20:01:04.89 /mOlVttC0
――翌日
上条「じゃあなインデックス。スフィンクスと大人しくしてるんだぞ」
禁書「早く帰ってくるんだよ、とーま」
禁書「はぁ……暇なんだよスフィンクス」
スフィンクス「にゃー」
禁書「お腹も空いてきたんだよ」
スフィンクス「にゃあ……」
禁書「お腹の減りすぎで髪の毛が抜けて来たんだよ……」
スフィンクス「……」
禁書「立ち上がる気力もないんだよ……」
禁書(スフィンクスも元気ないんだよ……あぁ、何だか……眠く…………)
プロシュート「コイツが『禁書目録』か。最初からこうすりゃあよかったじゃあねーか、クソッ!」
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 20:01:52.12 /mOlVttC0
――夕方
上条「ただいまー、いい子にしてたかインデックス……インデックス?」
上条「いないなあ、小萌先生の所か?」
ピッピッ……とうおるるるるる
上条「……はい、はい。わかりました、ありがとうございました」
上条「小萌先生でもない……ってこれはインデックスの髪の毛?結構多い……」
神裂「上条当麻!!」
上条「神裂!大変なんだ!」
神裂「それについて話しがあります。着いてきてください!」
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 20:09:20.20 /mOlVttC0
上条「正体不明のイタリア人?」
神裂「魔術絡みでもなんでもない人間ですがそいつが恐らくインデックスを……」
上条「なんで魔術師でもないのにインデックスを!?」
神裂「わかりません。それを調べ、奴に接触したステイルが…………死にました」
上条「え……?し、死んだって?」
嘘だろ?あいつスゲー魔術師だったじゃねーか。
ムカつく野郎だったけど、本当は優しくて気を使ってくれたじゃねーか。
インデックスを守るって言ってたじゃねーか。
死んだ?
何死んでんだよステイル……!!
上条「っくしょう……!」
神裂「お気持ちは解ります。しかし今はインデックスを、彼の守りたかったインデックスを優先してください」
上条「……わかってるよ」
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 20:12:44.16 /mOlVttC0
禁書「……ぅん、ここは?」
プロシュート「ようやく起きたか?魔法について聞きたいことがある」
禁書「……あなたは誰?とーまはどこ?」
プロシュート「質問をしているのはオレだ。3秒以内に答えな」
禁書「この縄をほどいてほしいんだよ」
プロシュート「ウーノ(1)!」
禁書「ねえってば!」
プロシュート「ドゥーエ(2)!!」
禁書「……わ、わかったからそんなに睨まないでほしいんだよ!」
プロシュート「ある人物を探している。そいつを見つける魔法とかあんのか?」
禁書「人探し?それならその人の体の一部や所持品があれば探す魔術はいっぱいあるんだよ」
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 20:15:22.15 /mOlVttC0
プロシュート「……手掛かりが全くない場合は無理か?」
禁書「出来なくはないけど術者にかなり負担がかかるんだよ。最悪死ぬことも……」
プロシュート「よし、やれ」
禁書「え……?」
プロシュート「知ってるんだろ?さっさとやれって言ってんだ」
禁書「えっと……さっきの話し聞いてたのかな?死ぬかもしれないって……」
プロシュート「だからテメェがやんだろ。オレにはやることがあんだよ。それとも今死ぬか?」
禁書(かなり自分勝手なんだよ……)
禁書「そもそも私は知識はあっても魔術が使えないんだよ」
プロシュート「なん……だと……?」
プロシュート(こんな事ならあの赤髪の魔術師を殺さないでいりゃよかったな……)
「見ィィィィつけたァァァァァァ」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 20:19:03.28 /mOlVttC0
プロシュート「……!!テメェは……」
「どォ見てもカタギじゃあねェよなァ……まァ裏の人間同士、遊ぼォじゃねェかァ」
プロシュート「テメェは確か第1位か……」
一方通行「よォォく勉強なさってるようで。さァて、さっさと始めようぜェ……一方的な殺し合いをよォォォォ!?」
プロシュート(一方通行は予想外だったなぁ。まあ問題はねぇが……)
プロシュート「ザ・グレイトフル・デッド!!」
スタンドの拳が一方通行に迫る。
しかし当たる直前でベクトル操作により反射された。
プロシュート(打撃はやっぱ無理か……)
一方通行「なンだァ?念動力かァ?ンなチンケな能力でこのオレが倒せると思ってたのかァ?」
一方通行「舐めてンじゃねェぞ三下がァァァァァァ!」
一方通行が足を踏み出す。
それと同時に地面が抉れまるで散弾銃のように瓦礫が襲いかかる。
対するプロシュートも微動だにせず、すべてをスタンドで防いだ。
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 20:22:12.13 /mOlVttC0
プロシュート「よく吠えるマンモーニだぜ。これで裏の人間たぁ笑えないジョークだぜ」
一方通行「ンだと……?」
プロシュート「殺し合いの場で遊ぶとか言うのが馬鹿げてるんだ……」
プロシュート「オレ達ギャングは『覚悟』を持って殺す。殺されるかもしれないっていう覚悟を持ってなあッ!」
プロシュート「テメェはなまっちょろいんだよ!ザ・グレイトフル・デッド!」
一方通行(馬鹿の一つ覚えみたいにまた念動力……いやッ!)
一方通行「なンだァ?こりゃァ……?」
脱力感を覚える。何事かと思い体を見ると体が皺だらけになっている。
一方通行(どういうこどだァ?一体何の能力……いや、それよりこのままじゃやべェ)
科学の力なら演算処理により反射もできる。
しかしスタンドによる謎の老化ガスはどうか?成分は?老化の原理は?ベクトルは?そもそもガスの存在がわからない。
故に演算できない。一方通行は老化の原因がわからない。
だからすぐにベクトル操作で細胞の成長速度を操作し老化を防いだ。
今はこれが限界だった。
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 20:23:17.33 /mOlVttC0
プロシュート「人間の細胞の数を知ってるか?約60兆だってな」
プロシュート「その60兆の細胞をコントロールしながらテメェは何分戦えるんだ?」
一方通行はミサカネットワークの力を借りて演算処理をしている。だがその使用時間は限られている。
ましてや60兆、それに細胞によって老化スピードがまちまちなため、操作するにはかなりの集中力が必要である。
使用時間が短くなるか、もしくは打ち止めを救った時のように他のベクトル操作が出来なくなるか。
どちらにせよ『詰み』である。
一方通行(冗談じゃねェぞ……!このオレがアイツ以外に負けるわけねェだろ?)
一方通行「くくきかきくけこきかかかけきかかけこくかかかこきこきこけくけけ!!」
一方通行「上等じゃねェか!ギャングだか知らねェが本物の悪党ってのを見せてやろォォじゃねェーか!」
そう叫ぶと一方通行の老化が始まった。
一方通行「全部の細胞を操作する必要はねェンだ!時間内にテメェをぶち殺せばなァァ!」
皮膚の老化など問題ない。ベクトル操作があるから筋肉が衰えても問題ない。
そうして不要な細胞の操作を止めればその分の演算を稼げる。
そして驚異的なスピードで一方通行がプロシュートに迫る。
まさに玉砕覚悟の突撃。
対するプロシュートもスタンド前面に出し身構える。
プロシュート「どいつもこいつも『殺す』なんて言葉使いやがって……」
プロシュート「『殺す』と心の中で思ったならッ!既に行動は終わっているんだッ!」
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 20:27:27.04 /mOlVttC0
――数時間前
一方通行「今度はどンな仕事だ?」
土御門「とある人物の捜索と保護だ」
一方通行「却下。ンなの警備員なり風紀委員にでもやらせりゃいいじゃねェーか」
土御門「人物が人物だ。お前がやるしかないんだよ」
一方通行「『お前』?テメェらはやらねェーのか?」
土御門「探すのはやるがそれ以降はお前がやれとの命令だ」
一方通行「なンだァ?オレはゴミ掃除係ですか?」
土御門「油断は禁物だ。妙な力を使うらしく、ある組織の手練れが瞬殺されたみたいだからな」
一方通行「ケッ!誰に言ってやがるンですかァ?オレが負けるわけねェだろ」
あの少女や光に生きる人間を守るため。
戦うと、負けないと誓った。
自らが闇に落ち、外道と呼ばれようとも。
だから……
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 20:30:31.61 /mOlVttC0
一方通行「負けるわけ……ねェだろォーがァァァァァァ!!」
プロシュート(反射がうまく効かなくなってきたか。そろそろだな……)
今までスタンド攻撃が全て反射されていた。しかし、徐々に反射の向きがずれている。
プロシュートはそれを感じ時間切れが近いと踏んだ。
一方通行(もっと……もっと力を……あの三下をぶっ殺す力を!)
肩を落とし俯く一方通行。それを見てプロシュートは電池切れかと思い近付いていく。
が、突然大きく距離を取った。彼のギャングとして、暗殺者としてのカンがそうさせた。
プロシュート(何かヤバい……!“スゴ味”とかのレベルじゃあねぇ……!)
一方通行「っっきdしゃうヴ;あvjw;あbjvs」
不気味な雄叫びとともに一方通行の背中に『黒い何か』が集まっていく。
そしてそれが形を成そうと――
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 20:33:38.87 /mOlVttC0
「やめろ!一方通行!!」
突然現れた人物に止められ霧散した。
我に帰った一方通行がその人物を見る。
一方通行「何の……用だ、三下ァ……」
果たしてそこには上条、神裂、そして御坂妹がいた。
ミサカネットワークに強力な負荷が掛かり異常を感じた妹達は一方通行のもとへ向かった。
その途中に出会った上条達と共にここにたどり着いた。
上条「誰かを守るんだろ?その力は周りを巻き込みすぎちまう」
一方通行「チッ……るせェンだ……よ……三、下ァ……」
電池が切れ意識を失った一方通行を御坂妹に預け上条は一歩前に出る。
対峙するプロシュートの後ろの隅にいるのは老化によってぐったりしているインデックスが見える。
プロシュート「感謝するぜ。そいつが『何か』を出そうとしたのを止めてくれてなぁ」
上条「テメェ……インデックスをどうする気だ!」
プロシュート「オレ達の目的のため、アドバイスを聞こうとしただけだ」
実際は聞くだけでは済まなかったのだが上条の知るところではない。
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 20:35:48.68 /mOlVttC0
上条「それだけで……それだけの事で人を殺したのかよ!」
プロシュート「あの魔術師のことか?それならあいつから殺そうとしてきたんだぜ?なら殺されても文句はねぇはずだ」
プロシュート「テメェがとやかく言う筋合いはねぇ。それ以上は奴の『覚悟』を踏みにじる事になる。そして……」
プロシュートが一歩、二歩と詰め寄る。
プロシュート「オレ達の目的を『それだけの事』と言い捨てたテメェは許さねぇッ!」
神裂「言いたい事はそれだけですか?」
プロシュート「何ィ!?」
背後からの奇襲。
なんとかスタンドで防いだが予想以上の衝撃にプロシュートはふっ飛ばされた。
神裂「彼の覚悟はよく知っていました。だから殺した事については、あなたにとやかく言うつもりはありません。ですが……」
神裂「インデックスを傷つける事は許さない!彼の、そして私の誇りのためインデックスを傷つけた罪を償って貰います!」
御坂妹「私も微力ながら助太刀致します、とミサカは機関銃を構え戦闘態勢はバッチリとアピールします」
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 20:38:22.61 /mOlVttC0
上条は右手を、神裂は刀を、御坂妹は機関銃を。それぞれの武器を構えプロシュートを睨み付けた。
だがそれに臆することなくプロシュートは立ち上がる。
プロシュート「何人いようが関係ねぇ!ザ・グレイトフル・デッド!!」
神裂「なっ!?」
御坂妹「肉体が老化していきます、とミサカは驚きつつも冷静に分析します」
上条「おい!大丈夫か!」
プロシュート「余所見してんじゃあねーぞ!」
上条に老化が効かないのは実証済みである。
だから真っ先に上条に迫り顔面にスタンドの拳を叩きつけようと――
神裂「七閃ッ!」
間に見えない斬撃が割って入った。
間一髪プロシュートは避けた。だがその顔には若干の驚きの色が出ていた。
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 20:42:01.39 /mOlVttC0
プロシュート(バカなッ!いくら女の老化スピードが遅くてもあんな動きは……)
武道に於いて、達人に老いは関係無い。
齢90を越える老人が棒キレ一本で賊の集団を倒した。素手で熊を倒した。
そんな話しがいくつもある。
聖人と言われた彼女にも同じことが言えるのだろう。
御坂妹「つまり『老いて尚盛ん』ですね、とミサカは博識っぷりをアピー……」
神裂「黙れ」
彼女に年齢に関する話題は禁句である。
神裂(とはいえ、あまり老化しすぎると体が持たない。というか何ですかこんな能力!?女の天敵です……!)
早く倒したい神裂だが敵もかなりの手練れ。なかなか隙がなく迂闊に動けない。
対するプロシュートも先ほどの見えない斬撃の正体を警戒して攻められない。
プロシュート(抜刀が見えねぇ。スピードAくらいなら出来るかも知れねーがそんな気配はなかった……)
考えられる事は……
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 20:44:51.30 /mOlVttC0
プロシュート(あの馬鹿デカイ刀は囮で別の何か……例えば『紐』『ワイヤー』ってとこか)
暗殺者の経験から見えにくく、殺傷力の高い武器ということでその答えにたどり着いた。
プロシュート(攻撃方法は解った。後は人外染みた体術か……)
御坂妹「ミサカもいることをお忘れなく、と若干蚊帳の外で不貞腐れ気味に告げます」
御坂妹は地面に設置した機関銃を容赦なく乱射した。
咄嗟にスタンドで瓦礫を盾に銃弾を防いだ。
均衡が崩れた今がチャンス、と神裂、上条が一気にに詰め寄る。
神裂にはスタンドで、上条には純粋な体術で迎えうつ。
科学と魔術がスタンドに惹かれる時、物語は加速する
一方通行――電池切れ(再起可能)
通り名 一方通行(アクセラレータ)
┌―――――――┘\
│To Be Continued >
└―――――――┐/
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 21:06:42.28 /mOlVttC0
個体→液体→血
続き
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 21:07:32.83 /mOlVttC0
戦闘開始から十数分。
少しずつだが均衡は壊れつつあった。
体術は神裂が上だ。
しかし彼女にはスタンドが見えない。
更に未知の力に対する事での精神的疲労。
極め付きは謎の老化。
世界に数人しかいないはずの聖人が、徐々にだが圧され始めていた。
一方の上条当麻は……
上条「ぶほっ!!」
喧嘩馴れしているとはいえ、所詮は高校生。命の取り合いとは無縁の生活だった。
最近は命賭けの戦いばかりなのだが、それでも目の前の男『プロシュート』とは場数が違いすぎる。
生まれた時から死と隣合わせで、組織の中でも一番危険な暗殺チームにいた彼にとっては赤子の手を捻るようなものだった。
御坂妹「ま、だ……武器は、あります、……とミサ、カは、戦えることを……」
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 21:09:38.91 /mOlVttC0
先の計画のため、無理矢理成長速度を上げた弊害がここに来て現れた。
現在は病院で安定化を行っているがまだ完全ではない。
他の者よりも明らかに老化が早かった。
上条「み、ミサカ……お前は逃げろ!」
プロシュート「人の心配してんじゃあねーぞぉぉ!」
倒れた上条の顔面を蹴り上げる。体と共に鮮血と前歯が飛んでいった。
神裂「上条当麻!……うぐッ!!」
意識が上条に逸れた瞬間。神裂の腹部に衝撃が走る。
スタンドパワーAの拳は老化した神裂に突き刺さり肋骨を折った。
そのままの勢いで神裂は上条のいる所までふっ飛ばされた。
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 21:11:46.99 /mOlVttC0
プロシュート「あれ喰らって肋骨で済むとかバケモンかよ……」
プロシュート(マジに学園都市はヤベェ所だな……)
そんな思考中も油断なく敵を見据えるのは流石と言った所か。
神裂「攻撃の正体がわからない……体もそろそろ限界か」
上条「……何とかなんねぇのか?」
神裂「老化さえなければ奴本人を叩くことが出来ますが……」
上条は考える。この右手なら老化を打ち消せる。
しかし触れてる間しか老化は打ち消せない。
触れながら戦っていたら上手くは動けない。
ならばどうする?
上条「一か八かやってみるか……神裂、頼みがある」
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 21:14:37.69 /mOlVttC0
神裂「……ッ!それではあなたが!それに上手くいくか……」
上条「やるっきゃねーんだ!心配すんな。それに腕の良い医者知ってるからな」
神裂「……わかりました。その覚悟、確と受け取りましょう」
プロシュート(何か仕掛けるつもりか……だがッ!)
プロシュート「やらせねぇッ!」
プロシュートが駆け出すと同時に神裂は刀を抜き振り上げた。
そして降り降ろし――!
プロシュート「なッ……?」
プロシュート(奴の手を切り落としただとぉーー!?)
切り落としたのは上条の右手、切った勢いで中に浮いているソレを神裂は素早くキャッチして胸元にしまった。
その瞬間何かが弾ける音と共に元の姿に戻った神裂がいた。
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 21:18:58.47 /mOlVttC0
プロシュート(コイツ、無茶苦茶しやがるッ……!)
プロシュートの動揺を見逃すことなく一気に間合いを詰める。
だがいつまでも無防備を晒すプロシュートではない。直ぐ様スタンドで迎え撃つ。
スタンドの拳は神裂の顔面を捉えた。
が――
プロシュート「何ィィィィィ!?」
神裂「そんな攻撃私の、ステイルの、上条当麻の、皆の覚悟の前では無力です!」
その勢いが衰えることなく、遂に間合いに入った。
容赦ない回し蹴りがプロシュートの脇腹に突き刺さった。
プロシュート「ウゴォッ!」
数メートルは吹っ飛んだ。よろめきながらも立ち上がると上条が咆哮を上げながらこちらに向かっていた。
面喰らったが、神裂に比べれば全然遅い。これなら対処できる。
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 21:23:19.34 /mOlVttC0
乾いた音と共にプロシュートの体勢が崩れた。
プロシュート「なッ!?」
足を撃たれた。
誰に?
当然アイツしかいない。
御坂妹「油断……大敵、とミサカは……勝ち誇った、笑みを……」
プロシュート(クソッタレ共がァァァ!!)
上条「テメェの目的がなにか知らねぇ!けど、もしもテメェの勝手な都合で誰かを傷つけていいって思ってんなら!」
右腕を振りかぶる。右手がなくても関係ない。
上条「まずはその『幻想』をブチ殺す!!」
右腕から飛び出した骨がピンポイントでプロシュートの側頭部に叩きつけられ三半規管を容赦なく揺さぶる。
95 :>>92まじかよ[]:2010/11/09(火) 21:27:30.47 /mOlVttC0
神裂「その覚悟、敵ながらお見事。せめて一瞬で……」
振り上げた刀をプロシュートの首目掛け下ろそうとし――
神裂「うっ……!?」
急激な嘔吐感に襲われ、そして――
神裂「おええええええ!!」
吐き出されたのは血でも胃液でもなく――
上条「なッ!?」
大量の刃物だった。
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 21:29:23.02 /mOlVttC0
プロシュートは知っている。こんな芸当をできる人物を。
それまで何もなかった所からゆらりと人の形が現れた。
プロシュート「リゾット……!?」
上条「神裂!しっかりしろ!!」
貧血を起こしたかのように蒼白になった神裂を抱え、今現れた人間を睨み付ける。
上条「テメェらなんなんだ!!」
現れた男、リゾット・ネェロは冷静に答える。
リゾット「仲間を助けに来た。お前達の命は取らない」
上条「そんな答えで納得いくわけねーだろ!」
男に向け左手を繰り出す。が、瞬間その左手から刃物が飛び出した。
上条「う、ぐああああああ!!」
御坂妹が即座に銃を撃つが全て逸らされる。
驚く暇もなく、いつの間にか現れたメスが両肩に突き刺さる。
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 21:30:18.47 /mOlVttC0
リゾット「任務以外では命は取らない。だが、お前達がその気なら容赦はしない」
誰も戦える状態ではなかった。ただ睨み付けるしかできなかった。
と、ようやく回復してきたプロシュートが立ち上がりリゾットに問い掛ける。
プロシュート「説明しやがれ……何でテメェがここにいる?」
リゾット「たまたま日本で仕事があったのと、もう1つ……」
リゾット「有力な情報が手に入った。だからチーム全員を集めている」
プロシュート「有力な情報だと?」
リゾット「詳しくは帰ってからだ。この町はセキュリティが高いからな。じゃあ行くぞ」
上条「ま、待てよ……」
満身創痍だがそれでも何とか立ち上がり相手を見据える。
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 21:33:27.35 /mOlVttC0
上条「お前らの『目的』ってなんだよ!こんなに人を傷付けてまで目指す『目的』って何なんだよ!」
プロシュート「テメェ……」
リゾット「まあ、いいだろ。オレ達の目的はある人物への『復讐』だ」
組織のため死に物狂いで戦ってきたのに、組織が大きくなった途端腫れ物扱い。
挙げ句粛清という名のもとに仲間が二人、惨めに殺された。
『恩には恩を、仇には仇を』
殺された仲間の誇りのため、暗殺チームは反逆する覚悟を決めた。
上条「間違ってる……そんなこと間違ってる!復讐は何も生まない!」
リゾット「……そうだな、何も生まないかも知れない」
リゾット「だが違う。そういう事ではない。これは誇りを守る戦いだ」
リゾット「カタギのお前はそれでいいかも知れない。だがオレ達は違う。暗殺チームはな……」
もう語ることはないと、地面から砂鉄が浮き上がりそれらがリゾットとプロシュートに張り付いていく。
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 21:35:04.59 /mOlVttC0
上条「命あっての誇りじゃあねーのかよ……その誇りって奴が命を捨ててまでのものだって言うなら……」
上条「その幻想を……」
左手を振り上げ殴りかかろうとし止められた。スタンドに腕を掴まれている。
だが上条にはスタンドが見えない。そして顔面にプロシュートの拳が炸裂した。
プロシュート「ッたく……この根性をペッシにも見習ってほしいくらいだぜ」
プロシュート「今回は悪かったな。だが安心しな。二度と会うことはねぇからな」
上条「あ、ぐっ……」
砂鉄が体に着くと徐々に風景に溶け込んで行く。
プロシュート「それと……」
プロシュート「『ぶち殺す』と心の中で思ったなら、その時スデに行動は終わってるんだぜ」
プロシュート「ふざけた幻想を『ぶち殺した』なら使ってもいい」
そう言い残して完全に風景と同化した。
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 21:37:30.92 /mOlVttC0
リゾット「……すまない、プロシュート」
プロシュート「あぁ?何がだ?」
リゾット「お前は殺される覚悟があった。それに横槍を入れてしまった」
リゾット「だがお前の力が必要だった。ボスに報いるために、お前の力がな……」
リゾット「ボスを倒したらどんな報いでも受けるつもりだ。だからそれまで死ぬな」
プロシュート「へっ……そんじゃあ復讐が終わったら厚待遇にしてもらおうか」
106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 21:39:20.23 /mOlVttC0
冥土返し「また、奇妙な怪我したねぇ……」
病院の一室。切り離されていたとは思えないほど傷痕1つなく繋がった手を見てカエル顔の医者は呟く。
冥土返し「右手は綺麗に、それこそ切られた後もあまり痛みを感じないほどスパッと……」
上条(そういえばあまり痛みはなかったかも……さすが神裂……)
冥土返し「左手は内側から刺されるって……相手は瞬間移動の能力者かい?神裂君も胃から口までズタズタになっていたが……」
正直未だにどんな能力を使ったのかはわからない。だがもう関係ない。
そう……関係ないのだ。
誰かの不幸なんて見たくはない。だからこの手で誰かの不幸を打ち消してきた。
それが出来なかった。救えなかった。
どうしようもない無力感。
109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 21:40:35.65 /mOlVttC0
冥土返し「世界には沢山の不幸があるんだ」
突然の呟きに上条は顔を上げた。自分の心が読まれたのかと思った。
冥土返し「その人達の数だけ不幸があって幸福がある。君が思う幸福が別の人からしたら不幸に見えるかもしれない」
上条「……俺、いらぬお節介だったんですかね」
冥土返し「さあ、相手次第だと思うよ。でも……」
冥土返し「真っ直ぐで正直な気持ちをぶつけられて嫌がる人間はあんまりいないと思うよ」
112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 21:41:31.87 /mOlVttC0
リゾット「全員集まって貰ったのは他でもない」
――ボスに娘がいるという情報が入った――
リゾット「恩には恩を、仇には仇を」
リゾット「この扉を出たら俺たちは『反逆者』だ」
プロシュート(全員迷わず立ち上がる。当然か……)
プロシュート(こんなチームだから誇りに思える。命を賭けるに値する)
プロシュート(上条当麻……お前も間違ってはいない。だがオレ達にはオレ達のやり方があるッ!)
オレ達の誇りを賭けた戦いが始まる……
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 21:42:29.59 /mOlVttC0
病院のベットでぼんやりと考える。
不幸とは、幸福とは、彼らの言う誇りとは?
一介の高校生には分からなかった。
ふと視界の端に人影が見えた。
一方通行「よう三下ァ、生きてるか?」
上条「一方通行か。もう大丈夫なのか?」
一方通行「バッテリーが切れただけだからな。それよりよくも邪魔してくれたなァ……タダじゃ済まさねェぞ?」
上条「だから言ったろ。あれは危ないって。インデックスもいたし他の妹達も向かってたんだ」
一方通行「チッ……」
御坂妹「相変わらず素直ではないですね、とミサカは溜め息混じりに呟きます」
上条「ミサカ!傷は大丈夫なのか?」
御坂妹「全く問題ないです、とミサカは心配されて嬉しく思うと同時に頬を赤らめます」
118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 21:55:28.88 /mOlVttC0
一方通行「素直じゃねェたァどォォゆーことだァ?」
御坂妹「左手にある袋に入ったメロンは何ですか、とミサカは指摘します」
一方通行「これは打ち止めの奴が持ってけってうるせェから」
御坂妹「ミサカネットワークで上位個体はそんなことは……」
一方通行「帰る」
御坂妹「でもちゃっかりメロンを置いて行ってる、とミサカは一方通行の然り気無さに感心します」
上条「ごめんなミサカ、巻き込んじまって……」
御坂妹「いえ、巻き込んだの寧ろは私のほうです、とミサカはお気遣いに感謝したり」
御坂妹「それよりも、こちらこそあまり役に立てずにごめんなさい、とミサカは深々と謝罪します」
120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 21:58:24.03 /mOlVttC0
上条「いや、お前がいたからインデックスの場所がわかったし最後の攻撃が当てられたんだぜ?充分じゃないか」
御坂妹「……お役に立ててたようで何よりです、とミサカは安堵します。と、誰か来たようです」
神裂「上条当麻……」
上条「おお、神裂。大丈夫か?」
神裂「はい。その……すみません。いくら相手を倒すためとはいえ、あなたの右手を……」
上条「うまくいったんだしいいじゃねーか。それにビックリするほど痛くなかったんだぜ?」
神裂「し、しかし……」
上条「それよりも、その……切った右手さぁ、お前確か……」
切った右手。常に触れさせるためどこにしまったか。ポケットなどは入らない。
手で持っていては手が塞がってしまう。
だから咄嗟に……
【切り落としたのは上条の右手、切った勢いで中に浮いているソレを神裂は素早くキャッチして胸元にしまった】
【 素 早 く キ ャ ッ チ し て 胸 元 に し ま っ た 】
【 胸 元 に 】
思いだし赤面した。
125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 22:01:32.07 /mOlVttC0
神裂「あ、あああ……あれは、そのしし、仕方がなく……」
上条「感覚はなかったけど……えーっと、上条さん的にそれで充分です、はい」
神裂「こ、このド変態があああああ!!」
上条「へぶっ!ゴホッ!ゴホッ!ズミバゼン……って怪我人のお腹に踵落としは……」
神裂「あ、すみません!すみません!つい足が……」
禁書「楽しそうだねとーま」
上条「い、インデックス!」
127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 22:02:30.37 /mOlVttC0
禁書「私のために大怪我したって聞いてすごく心配したんだよ……」
禁書「目を覚ましたって聞いていざ来てみれば女の子に囲まれて楽しそうに……」
上条「あの……インデックスさん?よ~く見てくれるかな?楽しくなんか……」
病室に肉をかじる音と絶叫が響いた。
今ならわかる。
他人からみれば女の子に囲まれて幸福そうに見えるかも知れない。
でも当の本人は……
上条「不幸だーーーーーー!!」
完
129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 22:03:45.48 /mOlVttC0
長々と失礼しました。
だんだん収集つかなくなって後半ヒドすぎてオチがヤバい。
長編SSはやはり苦手。
台本形式で書くつもりがいつのまにか地の文に逃げていた。何を言っているのかry
台本形式もやはり苦手。
読んでくれた人はありがとう。
137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/09(火) 22:14:13.75 /mOlVttC0
そういえば死んだのにこのラストはダメだよな……
ステイルごめんなさい
インなんとかも途中忘れてごめんなさい
切られた右手が挟まれて嬉しい変態上条にしてごめんなさい
ではさらば
0 件のコメント:
コメントを投稿